「エフェドラ」というダイエットに用いられるサプリメントが、アメリカ国内で大きな波紋を呼んでいます。
アメリカでは、年間1200万人から1700万人の人々が利用していたとされるダイエット・サプリメント「エフェドラ」に、2003年12月30日、アメリカ政府から販売禁止の発表がありました。このことを受け、メーカーが禁止差し止めの仮処分を裁判所に申請していましたが、ニュージャージー州の連邦地裁が2004年4月12日に却下の判決を下しました。その日、アメリカの食品医薬品局(以下、FDA)は改めて販売禁止を発表しました。
販売禁止となった理由は、このサプリメントの副作用によって、多くの被害者を出てしまったこと。アメリカでのエフェドラの被害は、100名を超える死亡例と、多くの副作用報告によって表れました。
人々の健康を維持するためのサプリメントのはずが、多くの被害を発生させてしまった「エフェドラ」。今回はこのエフェドラについて取り上げていきます。
▼エフェドラは、ダイエット目的で利用されるハーブ
エフェドラはハーブです。中国においては「マオウ」呼ばれ、生薬として鎮咳、解熱、発汗剤などに使用されてます。
エフェドラは、中国の乾燥地帯などに生えるシナマオウ、キダチマオウ、アイマオウなどの、マオウ科の地上茎を、乾燥させたもので、エフェドラ製品は一般的に、ダイエット剤、エネルギー賦活剤として、それまでのアメリカでは、健康食品店、フィットネスクラブなどで、簡単に手に入れることができました。
▼エフェドラが販売禁止に至るまで
アメリカにおいて、エフェドラはダイエットを目的とした利用や、ボディビルダーが筋肉質な体を作るために利用するなどで、一般の需要は数多く存在しましたが、しかし、同時にエフェドラの副作用による事故、苦情が多く寄せられるようになりました。これらに対し、FDAは、エフェドラの監視と対策に乗り出しました。
エフェドラの被害が、アメリカで大きな話題となった事件は、2003年に起きた、エフェドラを含有したサプリメントの常用による、大リーガーの突然死。検死の結果、血液中から多量のエフェドラが検出され、検視官はエフェドラを含むサプリメントの影響だと断定しました。
この事件以来、多くのメディアで取り上げられ、社会問題に発展し、FDAはエフェドラを含有した商品のラベルに「死亡例が報告されている」との警告を添付する事を義務付けました。また、いくつかの州では販売を禁止。多くの取扱店舗でも販売を自粛しました。FDAはその年、2003年の12月30日、ついに販売禁止を発表しました。アメリカ政府が栄養補助食品の販売禁止に踏み切るのは、この時が初のケースです。
早くから危険性が指摘されていたにも関わらず、なぜ、販売禁止まで長い時間を必要としたのでしょうか?その理由は、ダイエット業界、ハーブ業界などの強い反対にありました。エフェドラの規制に対抗するために、ロビイスト(圧力団体の代理人として、政党や議員や官僚に働きかけて、その団体に有利な政治的決定を行わせようとする者)を雇い、FDAなどによるエフェドラを含有した栄養補助食品の規制法案を棚上げにするなどの行動を起こしたのです。
▼日本においてのエフェドリンの流通は?
日本においては、エフェドラやマオウの食品添加物としての使用は、薬事法で禁止されています。また、販売や宣伝においても、法律で禁止されています。しかし、ネットオークションによる売買で、手に入れる事が出来たり、個人輸入に関しては、規制はされていないので、そういった部分で流通を許してしまっているのが現状です。
▼注意!誤った摂取では、命を落とす危険も・・・
アメリカでは、最終判決が下される前日に、エフェドラが含まれたサプリメントを購入する人々が、お店に殺到しました。いくらサプリメントが浸透している社会であれ、このようにサプリメントの行き過ぎた摂取概念が埋め込まれていると思うと、恐ろしいと感じてしまう方もいることでしょう。
エフェドラは、誤った摂取で、死にまで至らしめてしまうこともある成分です。日本においてのエフェドラの販売に関しては違法であり、その事をしっかりと自覚し、例え、入手可能な状況であっても、皆さんが毅然とした行動を取ることを期待いたします。



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